シチュのぶログ

岡本信彦さんが出演しているシチュエーションCDを味わった感想

岡本的全年齢の限界に挑んだ?ツンからのデレからの喘ぎを味わう「吸血ダーリン」

新作ライトノベル「石油産出国のイケメン王子に口説かれたのでOKしたらじゅるじゅる吸血されちゃいました!」

吸血ダーリン case.6 国際結婚・王子編

吸血ダーリン case.6 国際結婚・王子編

2013年11月

発売元:マリン・エンタテインメント

★★★★★

 ストーリー:★★★★★

キャラクター:★★★★★

    ワザ:★★★★★

  トキメキ:★★★★★

    喘ぎ:★★★★★★★★★★★★★

あらすじ

大学で出会った石油産出国の王子 アゼル殿下に嫁いだら血を吸われちゃった。

レビュー

この作品は美味しすぎる

このシチュCDは個人的に大大大好きな作品である。
理由として、「岡本さんによる冷たい演技、甘々な演技、『哀』の演技、その上『感じちゃう』演技まで聴けてしまうというチャレンジ1年生4月号を超える豪華さゆえの満足感」が挙げられる。しかし、大前提としてアゼル殿下のキャラクターが魅力的で、裏表のギャップが激しい殿下が発見や戸惑いを経て主人公大好き素直殿下になる変化の描写はキャラに厚みを与えている。
それに加え、アゼル殿下が殿下なせいでやや壮大なストーリーになっているところも面白い。主人公が意地悪セレブ女集団によってプールに突き落とされるシーンはお気に入り。

「哀」の演技

喜怒哀楽のうち、岡本さんの演技の良さは「怒」と「哀」で光る印象があるが、この作品では「哀」を楽しむことができる。track5「送別旅行での告白」にて、自国に帰ることになった殿下が主人公に対して想いをうちあけたにも関わらずふられてしまったときのセリフ。

「この僕をふることができる女なんて、きっと世界中を探しても君だけだ...。
......さようなら、僕の愛しい人......僕の心は...君のそばに...置いていくよ...。」

・「君だけだ」でわずかに含まれる切なげな笑い
・「僕の愛しい人」の声の詰まり具合
・「君のそばに」の揺れ
・「置いていくよ」の「よ」の抜け

岡本さんの「哀」は繊細である。それぞれの技術がコンボをキメて聴く人の心をじわじわと締めつけるため、思わず「うわ〜〜ごめんねアゼル殿下...」と申し訳ない気持ちになってしまう。

「大好きだよ」

作中で何度か出てくるセリフ「大好きだよ」。一つ目はtrack5「送別旅行での告白」で始めて主人公に伝えた大好き。二つ目はtrack7「彼と私の業」で改めて伝える大好き。これらのトラックの間には長い歳月が流れているのだが、その間に深まった愛が後者の「大好きだよ」の言い方で巧みに表現されているのは聴きどころ。
※ちなみにもう一つの大好きはtrack9で聴けます

で、殿下...お感じ遊ばされて......!?

初めて聴いたときは脳内スタンディングオベーション&パニック状態になったtrack9,10の相互吸血。ただでさえ主人公の血を吸う殿下がえっちなのに、吸血されたアゼル殿下が喘いじゃう、なんて...こんなの...聴いていいのか......!?いいんです...。それにしてもCV岡本信彦でこれが聴けてしまうことに、発売からウン年経った今でも背徳感がある。該当部分はほんの数十秒だが、それでもここまでえっちだなんて18禁だったらどうなってしまうんだよと常日頃恐れている。現実となった日には文字通り発狂してしまうだろう。

余談

続編「吸血ダーリンFan Disc vol.2」(2014年4月)では殿下との新婚旅行を楽しむことができるのだが、こちらもストーリー・演技ともにexcellent。レベルアップした喘ぎにも注目である。
track10「生きるために必要な行為」で聴ける殿下の喘ぎは、一作目が100えっちなら280えっち(個人の感想です)。

「なっ、だっ、だめだっ、そんな風にしたらっ......!!......嫌なわけ...ないだろ......君の方から求めてくれるなんて...すごく興奮するし...我を忘れそうになるくらい...気持ちいい...!」

豊かな表現力が奏でる喘ぎは18禁シチュよりえっちに思える。
信彦や ああ信彦や 信彦や

 

Drawing 岡本メロディ...Dream on 探しに行こう...「CHU♥LDK」

時にポップ、時にジャズ。イヤホンから広がる岡本さんの旋律を楽しむ。

カレの部屋にお泊まりCD 「CHU❤LDK」 Vol.2 新矢 CV.岡本信彦

カレの部屋にお泊まりCD 「CHU♥LDK」 Vol.2 新矢

2016年11月

発売元:Rejet

★★★★

 ストーリー:★★★★

キャラクター:★★★★

    ワザ:★★★★★

  トキメキ:★★★★

 声のトーン:★★★★★

あらすじ

主人公が捕まえた迷子のウサギを、幼なじみの新矢が預かることに。これをきっかけに、色々な理由で新矢の家に泊まりまくる。

レビュー

旨みがよく出るトーン

岡本さんの声のトーンについて、その好みは人によって異なる。個人的には、最も美味しいトーンは「ふたりきねんび」甫くん〜新矢くん〜「添い寝CD」涼くんあたりだと感じる。地声に近いトーンのため、自然な発声がとても聴きやすい。また、記憶に残る印象的な演技が生まれることが多い。詳しくは後述で。

jazzyなアクセント

「声優が思い思いに奏でる自由な旋律を楽しむことができる」のは、シチュCDの大きな魅力だと思われる。
画やカウントの制限なく、ただセリフのみ与えられた声優が自由にそれを読むと、その人にしか出せないテンポ、トーン、強弱などが生まれることは言うまでもない。
しかし岡本さんの演技では、軸となる旋律がある上で、時折(または作品全体のあちこちで)音楽ジャンルが変わったかのように即興的な旋律が奏でられることがある。本作のtrack3から例示する。

ウサギ飼育用のアイテムを買いに来た二人。ピンク色の餌入れを選ぶ主人公に新矢くんが「俺の部屋に置くにはちょっと...」と困り、主人公が悲しげな表情をした(と思われる)後のセリフ。

「あ...あぁ、いや、あ、いいよ、これにしよ。あ、俺も気に入った。だからそんな顔すんなって...。」

それまでの読み方とは異なる旋律である。セリフ序盤から終盤までの加速度的なテンポの上げ方、「あ、俺も気に入った」から「だからそんな顔すんなって」までの語気の上げ下げ、「だからそんな顔すんなって」の直前に入る、おろおろしたような声...。聴いていて思わず「いま一瞬ジェットコースターに乗った...!?」とハッとしてしまうような、トラック全体におけるアクセントである。
私はこの即興的・アドリブ的な演技に「ジャズ」と名付けたい。そして、数々の名作においてキャラクターに「活き」を与える岡本さんのジャズに、歓声と指笛を贈りたい。

余談

この作品、「ここで終わりですか!!??」ってところで終わってしまう。

啓治さん...これは...一体...? ファンタジーちくわの「息遣いシリーズ」

シェフ・藤原啓治さんによる創作料理。息遣いと喘ぎのマリアージュ

「息遣いシリーズ 双子編~兄と弟の日常吐息~」

息遣いシリーズ 双子編~兄と弟の日常吐息~

2015年6月

発売元:AIR AGENCY・フロンティアワークス

★★★★

 ストーリー:★★★★★

キャラクター:★★★★

    ワザ:★★★★

  トキメキ:★★★★

二人の頑張り:★★★★★

あらすじ

双子の兄・椎名景(CV:岡本信彦)と弟・直(CV:島﨑信長)の日常。

レビュー ※注:本作はざっくり言えば下ネタCDである

笑えばいいと思うよ

シチュエーションを描いている=シチュCDということで、当ブログで取り上げることにした。「息遣いシリーズ」のタイトルを見れば、既にチェック済みの人は「アレね…(ゲンドウポーズ)」となるだろう。

このCDは兄弟の日常を描いた作品である。しかし、やたらと二人の息遣いや喘ぎが盛り込まれたやりとりが状況説明の無いまま展開されるため「これはBLスケベですか?」というミスリードを促す仕組みになっており、中々の珍...名作である。
例)やたら二人がハァハァしてるなと思ったら満員電車のシチュエーションだった。
早急にスケベを感じたい人におすすめ。

岡本さんの闇BL流通ルートが開拓されたことに当時の私は感動したし爆笑したが、残念ながらこの一作をもって廃道となったようである。
今もう一度二人に演じてもらったら、何倍もえっちな演技が飛び出すだろうな...と思う。

「ファンタジー

本作、いや岡本シチュCD至上最もひどいと言っていいtrack5「先生と3人で」は以下のような始まり方である。

弟の直が美術準備室を訪れると、後藤先生と兄の景が怪しいことをしている。なぜか後藤先生が色気ある声を出している一方で、景は何かをはぐはぐ咥えながら、「げぇ、後藤、これデカすぎなんだけどぉ〜」などと困っている。それに対し後藤先生は「一気に口に入れるからだよ」と返す......。

よくまあ青二とプロ・フィットが許したものだと思ってしまうが、本作の発売元はAIR AGENCY、そして後藤先生役は社長・藤原啓治さんである。平伏不可避、五体投地。圧倒的強さを前にして、若手声優に逃げ場などないのである。
トラック終盤で聴くことができる兄弟二人の"はぐはぐ"シーンでは、心なしか両者の覚悟を感じる。

ちなみに前述したあらすじのオチは、「アツアツおでんに入っていたちくわを食べていた」だ。
岡本さんはキャストトークでこう語っている。
「1分たっても...なかなか冷め...やまないちくわ...って...やっぱ...すごい...なんでしょう......フィクション...ファンタジーちくわ」

余談

収録時のインタビュー

岡本信彦の声でブラームスの子守唄を聴きたい人へ...「幻妖綺」

誠実な執事&色気たっぷりな妖の二味堪能プレート~子守唄を添えて~ デザートにはショタボイスをどうぞ。

幻妖綺~猫ノ贈リモノ~

幻妖綺~猫ノ贈リモノ~ / 雪邑

2014年12月

発売元:TEAM Entertainment Inc.

★★★★

 ストーリー:★★★★

キャラクター:★★★★

    ワザ:★★★★★

  トキメキ:★★★★

   子守唄:★★★★★

あらすじ

病気で一時的に失明状態の主人公を執事の雪邑が手厚く看病してくれる一方で、毎晩寝室に色気ダダ漏れの猫又が現れるようになる。

レビュー

おっ、高音ショタ!

「あっ、小林製薬!」くらいのノリで。
岡本的シチュCDで最高音を記録しているのは「E:RObotts Model.917/東雲」かと思われるが(私の知る範囲)、このCDではそれに準ずるハイトーンボイスを雪邑の回想内で味わうことができる。昨今ほとんど演じる機会が無くなってしまった、貴重なショタである。
私は毎回「ぼくを...おいていかないで...🥺」と切なげに言われて「ンィ...」と脳内で奇声を漏らしてしまう。

岡本さんの得意技・キスしたまま喋り

岡本的テクニックの一つ「キスで接近した状態のまま喋る」えっちな技も聴くことができる。そう、エロ猫又ならね。
この技、言葉では説明が難しいので、ご存じない方は是非チェックしてみてほしい。

ブラームスの子守唄

track5にて猫又がワンフレーズ歌ってくれるブラームスの子守唄。やや低音ボイスの「ららら〜ら...ららら〜...」(略)から発せられる細かな音の振動は、疲れた脳に適度な刺激を与えてくれる。
そもそも作品全体が穏やかな雰囲気なので、睡眠導入におすすめ。

余談

なぜか雪邑さんの甘噛みがリテイクなしでそのまま収録されている。

飛び抜けた生っぽさ。近すぎてくすぐったい「お咎めCD」

ほぼ日常会話で構成されている、甘さ少なめの作品。にも関わらずドキドキしながら聴くことができるのは、岡本さんの細やかな演技が成せる技。職人による彩りワンプレートをゴチになります

オ・ト・ナ限定 お咎めCD Penalty Ⅰ

オ・ト・ナ限定 お咎めCD Penalty I

2012年2月

発売元:日本コロムビア

★★★★★

 ストーリー:★★★★★

キャラクター:★★★★★

    ワザ:★★★★★

  トキメキ:★★★★★

  生っぽさ:★★★★★

あらすじ

どう言うわけか同じ屋根の下で暮らしている高校生 河原和己におんぶされたり、恥ずかしがられたり、慰められたりする。
※前半5トラックが岡本さんパートで、後半5トラックが緑川光さんパート。

レビュー

圧倒的「生」感

立体音響+岡本さんの演技+日常を描いたストーリーの作り出す生っぽさが、この作品の特徴である。
割とデフォルメされた演技であるにも関わらず生っぽいとはこれいかに。
アイスを食べたい主人公に対して「いくら食べたいからって、知らねぇぞ〜?こんな時間に食って。太るぞ。」と言うように、基本優しくもツンとしている和己くん。しかし、本人がおそらく無意識に接近しているシーンや、作中で起こるハプニングによって発生する強制的な接近シーンで放たれるセリフの言い回しがくすぐったく、時に色っぽい。

「────ドキドキしたり。」

風呂あがりの和己くんが自分の飲んでいた牛乳を体にこぼしてしまい、同じく風呂あがりの主人公がそれを拭いてあげちゃうシーン。
バスタオル姿の主人公にめちゃくちゃドキドキしてしまう和己くんのセリフ回しが、震えるほど神がかっている。

「うるせぇなぁ...そうだよ、わかってんだよ...おかしいんだよ俺......なんでかしんねーけど、変なんだよ最近......なんか、お前が笑ってるとこ見ると、変に嬉しくなったり...ちょっと帰りが遅いと、イライラしたり...そんなかっこ見ちまうと.........ドキドキしたり。」

強弱、間の置き方、吐息の含ませ方、かすれ具合など、まるでクラシックの楽譜のように作り込まれた旋律は感動モノである。最後のフレーズ「ドキドキしたり」の、静かな部屋で物が落ちた時くらいハッとさせられる言い方には思わず唸る。
岡本シチュ史に残る名曲と言っていいだろう。

どこがお咎めなのかは謎

正直言って咎められている感覚はないので、今すぐ極上ご褒美CDとかに改題してほしい。

余談

ざっくり言えば燐っぽさがあるので、好きな人にはおすすめ。

圧倒的優しさとマイナスイオンを放つ名作。聴くタイプの睡眠導入剤「添い寝CD」

2011年当時の初々しくもテクニカルな演技と声が、疲れた心をふわっと優しく包み込む。そのまろやかな味わいに思わずほっとする感覚...これは「たまごおじや」。

週刊添い寝CDvol.08涼 初回生産分

週刊添い寝CD vol.08 涼

2011年11月

発売元:Black Butterfly
シナリオ:蒼井こんぶ 氏
イラスト:榊空也

★★★★★

 ストーリー:★★★★★

キャラクター:★★★★★

    ワザ:★★★★★

  トキメキ:★★★★★

  やさしさ:★★★★★

あらすじ

仕事で失敗して落ち込んだ主人公を、年下彼氏の涼くんが癒しまくる。

レビュー

涼くんが優しい

正直これに尽きる。初々しさが残る甘ったるい岡本ボイスで「よく頑張ったね」「たくさん甘えて...ね?よしよし...」などと吐息まじりに言われたら、たちどころに脳が溶けて安らかに眠ってしまう。しかも最初から最後までほぼ穏やかな声のトーンなので、本当に眠れる。ここがオアシス。

また、メンタルが弱っている時に主人公と自分を重ねると、甘やかしてくれる涼くんの優しさに涙を流すことがままある。

もう何回聴いただろうこのCDは...VHSだったら擦り切れているに違いない。

「ねぇ......い〜い...?」

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序盤で寝ずにtrack4まで辿り着くと聴くことができる、岡本さんの技巧が光るセリフ。聴くたび「ナッ...アハ〜〜〜〜〜〜!!!」と脳内で叫んでしまう。

ベッドの上で密着する主人公と涼くん、80%吐息みたいな「ねぇ......い〜い...?」の囁き...キス音...布団の摩擦音...フェードアウト...そして何事もなかったかのようにセリフが始まる...という一連の流れにはスタンディングオベーションを禁じ得ない。

どちらかというと自己肯定感低めでおどおどした話し方の涼くんだからこそ、ここで現れる小悪魔的男子の一面が非常〜〜〜〜〜〜にえっちである。

わざとらしい甘さのないシナリオ

シナリオライター、蒼井こんぶ氏は裏切らない。乙女向けシチュCDとして必要な量の甘さを含ませつつも、涼くんという男の性格を繊細に描いてくださる。

私はあまりにも甘さ提供マシンになってしまっているキャラには「な゛ん゛でだよ゛(CV藤原竜也)」と嘆いてしまうのだが、前述したように涼くんは素で小悪魔なのである。

例えば、米そのものが持つ優しい甘み、それが涼くんの甘みなのだ。

余談

いずれかのトラックにお腹の音がそのまま入ってしまっていたことを記憶しているが、どこだったか...