飛び抜けた生っぽさ。近すぎてくすぐったい「お咎めCD」
あらすじ
どう言うわけか同じ屋根の下で暮らしている高校生 河原和己におんぶされたり、恥ずかしがられたり、慰められたりする。
※前半5トラックが岡本さんパートで、後半5トラックが緑川光さんパート。
レビュー
圧倒的「生」感
立体音響+岡本さんの演技+日常を描いたストーリーの作り出す生っぽさが、この作品の特徴である。
割とデフォルメされた演技であるにも関わらず生っぽいとはこれいかに。
アイスを食べたい主人公に対して「いくら食べたいからって、知らねぇぞ〜?こんな時間に食って。太るぞ。」と言うように、基本優しくもツンとしている和己くん。しかし、本人がおそらく無意識に接近しているシーンや、作中で起こるハプニングによって発生する強制的な接近シーンで放たれるセリフの言い回しがくすぐったく、時に色っぽい。
「────ドキドキしたり。」
風呂あがりの和己くんが自分の飲んでいた牛乳を体にこぼしてしまい、同じく風呂あがりの主人公がそれを拭いてあげちゃうシーン。
バスタオル姿の主人公にめちゃくちゃドキドキしてしまう和己くんのセリフ回しが、震えるほど神がかっている。
「うるせぇなぁ...そうだよ、わかってんだよ...おかしいんだよ俺......なんでかしんねーけど、変なんだよ最近......なんか、お前が笑ってるとこ見ると、変に嬉しくなったり...ちょっと帰りが遅いと、イライラしたり...そんなかっこ見ちまうと.........ドキドキしたり。」
強弱、間の置き方、吐息の含ませ方、かすれ具合など、まるでクラシックの楽譜のように作り込まれた旋律は感動モノである。最後のフレーズ「ドキドキしたり」の、静かな部屋で物が落ちた時くらいハッとさせられる言い方には思わず唸る。
岡本シチュ史に残る名曲と言っていいだろう。
どこがお咎めなのかは謎
正直言って咎められている感覚はないので、今すぐ極上ご褒美CDとかに改題してほしい。
余談
ざっくり言えば燐っぽさがあるので、好きな人にはおすすめ。