シチュのぶログ

岡本信彦さんが出演しているシチュエーションCDを味わった感想

Drawing 岡本メロディ...Dream on 探しに行こう...「CHU♥LDK」

時にポップ、時にジャズ。イヤホンから広がる岡本さんの旋律を楽しむ。

カレの部屋にお泊まりCD 「CHU❤LDK」 Vol.2 新矢 CV.岡本信彦

カレの部屋にお泊まりCD 「CHU♥LDK」 Vol.2 新矢

2016年11月

発売元:Rejet

★★★★

 ストーリー:★★★★

キャラクター:★★★★

    ワザ:★★★★★

  トキメキ:★★★★

 声のトーン:★★★★★

あらすじ

主人公が捕まえた迷子のウサギを、幼なじみの新矢が預かることに。これをきっかけに、色々な理由で新矢の家に泊まりまくる。

レビュー

旨みがよく出るトーン

岡本さんの声のトーンについて、その好みは人によって異なる。個人的には、最も美味しいトーンは「ふたりきねんび」甫くん〜新矢くん〜「添い寝CD」涼くんあたりだと感じる。地声に近いトーンのため、自然な発声がとても聴きやすい。また、記憶に残る印象的な演技が生まれることが多い。詳しくは後述で。

jazzyなアクセント

「声優が思い思いに奏でる自由な旋律を楽しむことができる」のは、シチュCDの大きな魅力だと思われる。
画やカウントの制限なく、ただセリフのみ与えられた声優が自由にそれを読むと、その人にしか出せないテンポ、トーン、強弱などが生まれることは言うまでもない。
しかし岡本さんの演技では、軸となる旋律がある上で、時折(または作品全体のあちこちで)音楽ジャンルが変わったかのように即興的な旋律が奏でられることがある。本作のtrack3から例示する。

ウサギ飼育用のアイテムを買いに来た二人。ピンク色の餌入れを選ぶ主人公に新矢くんが「俺の部屋に置くにはちょっと...」と困り、主人公が悲しげな表情をした(と思われる)後のセリフ。

「あ...あぁ、いや、あ、いいよ、これにしよ。あ、俺も気に入った。だからそんな顔すんなって...。」

それまでの読み方とは異なる旋律である。セリフ序盤から終盤までの加速度的なテンポの上げ方、「あ、俺も気に入った」から「だからそんな顔すんなって」までの語気の上げ下げ、「だからそんな顔すんなって」の直前に入る、おろおろしたような声...。聴いていて思わず「いま一瞬ジェットコースターに乗った...!?」とハッとしてしまうような、トラック全体におけるアクセントである。
私はこの即興的・アドリブ的な演技に「ジャズ」と名付けたい。そして、数々の名作においてキャラクターに「活き」を与える岡本さんのジャズに、歓声と指笛を贈りたい。

余談

この作品、「ここで終わりですか!!??」ってところで終わってしまう。